
石川県立伝統産業工芸館には、信仰や加賀百万石の文化に端を発した36種類の工芸品が展示されています。
ここでは、36種類の工芸品のうち、代表的な工芸品である九谷焼、加賀友禅、加賀ぬい、金沢箔を抜粋して詳しく紹介します。
石川県立伝統産業工芸館の場所は、兼六園の小立野口の隣にあり、兼六園とは別に入館料が必要です。
入館料、営業時間、定休日などは基本情報に記載しています。
※石川県立伝統産業工芸館は、「兼六園プラス1」チケットの対象です。
石川県立伝統産業工芸館について
石川県は、室町・戦国時代には浄土真宗信徒による一向一揆に盛んで、江戸時代には豊かな加賀百万石の藩として栄えました。
石川県には、信仰や加賀藩の文化に端を発した伝統工芸品が残っており、工芸館には、その中から36種類の工芸品が展示されています。
1階は、受付と伝統工芸品の販売スペース、2階は、伝統工芸品が展示されています。
休日には、伝統文化の体験会なども開催されています。
36種類の工芸品
36種類の工芸館のなかには、国が伝統的な工芸品として、認めているものが下記10つあります。
加賀ぬい、加賀友禅、九谷焼、輪島塗、山中漆器、牛首つむぎ、金沢漆器、金沢箔、金沢仏壇、七尾仏壇
36種類の工芸館のうち、石川県が指定している工芸館が下記6つあります。
桐工芸、檜(ひのき)細工、美川仏壇、加賀けばり、和紙、珠洲(すず)焼
36種類の工芸館のうち、担い手が少なく、わずかに作られている工芸品が下記20つあります。
金沢表具、手捺染型彫刻(てなっせんかたちょうこく)、大樋(おおひ)焼、加賀竿、竹細工、加賀水引細工、茶の湯釜、鶴来打刃物、能登上布、加賀象嵌(ぞうがん)、七尾和ろうそく、能登花火、銅鑼(どら)、加賀提灯(ちょうちん)、郷土玩具(おもちゃ)、琴、三弦(さんげん)、太鼓、加賀獅子頭、金沢和傘
代表的な工芸品
36種類の工芸品のうち、一般によく知られている、九谷焼、加賀友禅、加賀ぬい、金沢箔について、以下に説明します。
加賀ぬい
加賀ぬいは、刺繍(ししゅう)のことで、もともとは、仏様の姿を糸で表す繍仏(しゅうぶつ)から始まりました。
加賀ぬいでは、金や銀など100種類もの糸を使い、当時は藩主の羽織(はおり)や、奥方様の着物などに使われていました。
加賀友禅(かがゆうぜん)
加賀友禅の友禅(ゆうぜん)とは、布に模様を染める技法のひとつです。
金沢生まれの有名な絵師で、加賀友禅を作った宮崎友禅(みやざきゆうぜん)の名前から付けられたものです。
加賀五彩といわれる、藍(あい)、臙脂(えんじ)、草、黄土、古代紫、の色を使い、落ち着いた気品さが特徴です。
九谷焼(くたにやき)
九谷焼は、36種類の伝統工芸館のなかで、最も知名度がある工芸品のうちの一つです。
九谷焼は、後藤才次郎(ごとうさいじろう)が、加賀藩の命令によって、九谷村(石川県加賀市)で開壺したのがはじまりです。
九谷焼は、青、緑、黄などの濃い色を主に使い、あざやかな色使いが特徴的です。
金沢箔
金沢箔は、金箔(きんぱく)のことで、箔(はく)とは、金合金を薄くたたいて、伸ばしたものです。
現在、日本にある金箔は、ほぼ100%、金沢で生産され、品質が高く美しいのが、特徴的です。
江戸時代には、江戸幕府や天皇がいた京都以外での金箔作りは制限されていましたが、加賀藩では、内密に作っていて、今に伝わっています。
伝統産業工芸館の場所
石川県立伝統産業工芸館は、兼六園の小立野口の隣にあり、兼六園の外からも、兼六園の中からも入館できます。
伝統産業工芸館の基本情報
【連絡先】076-262-2020
【営業時間】9:00~17:00(入館は16:45まで)
【定休日】
4月~11月は、毎月第3木曜日
12月~3月は、毎週木曜日及び年末・年始(祝日が木曜日は除く)
【展示スペース料金】
65才以上:200円(団体200円)
18才以上:260円(団体200円)
6才~17才:100円(団体200円)
0才~5才:無料
※団体は30名以上
※障害者の方とその付き添い1名は障害者手帳の提示により無料
※石川県立伝統産業工芸館は、「兼六園プラス1」チケットの対象です。
詳しくは、別ページの兼六園の入園料金に記載しています。
【駐車場】12台(障害者用スペース1台を含む)
現地取材:
・石川県立伝統産業工芸館、2018年10月20日、11月24日、12月1日
参考文献:
・石川県立伝統産業工芸館、「伝統工芸36業種」
http://www.ishikawa-densankan.jp/craft/index.html(参照:2018/1/21)